5月1日〜5日
1日 19:00
2日 19:00
3日 14:00 19:00
4日 14:00 19:00
5日 12:00 17:00
場所
ARAKAWA dust bunny
作
並木雅浩・蓮見翔
演出
並木雅浩
出演
園田祥太 重田沙椰 フクザワココロ 桑原千晶 飯原僚也 上原佑太 井上剛 パイロン久我 道上珠妃 葛原幸乃 エミリー 中嶋百衣子 並木雅浩 蓮見翔 伊藤あすか 福田柚子
自分が演劇を見る時にけっこう大事だなって思う事があって、それは「可愛げ」なんであって、このはりねずみのパジャマという団体には溢れんばかりの「可愛げ」があって俺は結構好きだったりする。
この「可愛げ」。逆に言えば「可愛げが無い」という事であって、「可愛げが無い」演劇は世の中に山ほどある。とりあえず、老舗の劇団にはあんまり可愛げが無いし、大きなお金が動いている興業も可愛げが無い。若い劇団も過度の下ネタとかあると可愛げが損なわれるし、暑苦しいお芝居もそれはそれでだめだ。
ちなみに「可愛げ」がない団体がつまらないとか面白いとかいう事ではなく、「可愛げ」があると「なんかみれちゃう」のが大事なんだと思う。上に挙げたような団体でも「可愛げ」があるものは沢山あって、そういうのはなんかほほえましい気持ちになる。
この感覚が上手く表せなくてもどかしいのだが、例えばちょっとした粗があったとして、「可愛げが無い」舞台だと、それはそのままミスとして処理されてしまうのだが、「可愛げ」があるとなんかその粗すら面白く感じるというか、魅力になるような。。。
出てる役者の可愛げなんてすごく大事で、まず可愛げがないと、その役者を好きにならない。いくら演技が上手くても、自分の人格は滲み出てしまうので。逆に、いくら演技が出来なくても、本人の滲み出るなにかが可愛ければ、その人を好きになって、結果その人を見れてしまう。
嫌いな人は見たくないし、見たくない人を見ることは演劇では結構ある。
だから、可愛げは大事だし。小劇場という演者と客の距離が近い場所では、それが非常に大事になる気がする。
この「可愛げ」は ゆるさ だとか、愛嬌だとか、ゆとり だとかなんかそんなような言葉で言い換えられる気がするけど、いい意味でのプロ意識のなさ なのかな?
大人計画もプロ中のプロだけど可愛げがあるし、アマチュア劇団でも、変に演劇論を順守したり、変に方にはまった演技をしていると、可愛げないなってかんじてしまう。
可愛げは上手い下手の外にあるの魅力なので、その上手い下手に収まっていると、なんかつまらないなあと感じるのかもしれない。なんか面白い事をやるっていう意識が、「可愛げ」の根底にあるような気がするし、そういうピュアな作品は、なんか無邪気でほほえましくなってしまって、見れちゃう。
話は大きく戻るが、今回見た「はりぱじゃ」はほんと可愛げがあって、なんだか無邪気に面白いと思ってるものへ突き進んでる感があって、すごく楽しめた。上手い下手とか関係ない所で戦ってる感じがみててほほえましかったし。
あと、会場も個人的にはツボだった。ARAKAWA dust bunnyっていう廃墟を劇場に改築すらせず、そのままで貸し出してるような場所なんだけど、そのわざわざ大雨のなか遠い廃墟に足を運んで演劇を見るっていう体験が新鮮だったな。屋上のようなところで、景色もよく、雨音がうるさい中、流れたオープニング映像が妙にエモく感じた。
こうゆうのを見ると、高い劇場費払って公演をするよりも、そこらの公園とか、安い公民館とか借りて公演する方が、お得だし、その「場」の力ってやっぱりあるとおもうから、面白い作品になったりする気がする。BoUYとか、あんなワクワクする劇場他にないよ。
劇場っていう枠にはまらない作品はタフだし、思わぬ相乗効果ありそうだし、どんどん変なところで公演して欲しいし、それを観に行きたい。
内容はほんとそのままに、廃墟に散らばったごみをかたずけるけど、どんどん変なゲストが登場してかたずけられないって話。登場人物がどんどん増えていき、途中途中にはさまれるモノローグもあって上手くまとまるのかこれ?って思ってたが、最後は急に大運動会が始まって、各々の文字通り大決算していく。その急に始まる運動会が、なんか妙にカタルシスがあって良かったな。4分くらい永遠に登場人物が走る場面があって、その場面も意味もなく、走ってる人たちの姿が、そとの雨も相まってなんかいい感じに見えた。
ゆるーいギャグのような会話がずっと続くのも、役者の各々が持ってる可愛げで全然楽しめたし、急に「ウーバーイーツです」って入ってくるネタは爆笑したな。
うん。なんか体験としてすごく面白かったので、次の王子小劇場も余裕があったら観に行こうかな。
0コメント